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政友会のファシズム批判=二大政党制の擁護 [読み物]

 対外危機の沈静化は国内政治に影響を及ぼす。政友会の二大政党制=「憲政の常道」論が息を吹き返す。政友会顧問加藤久米四郎(かとうくめしろう)は議会政治に対する世界的な「ファッショ」政治の挑戦を「一時的なもの」と退ける。なかでもヒトラーのドイツは最大の非難の対象だった。ヒトラーは「ナチスの政敵を虐殺し、ドイツ文化の源泉たる学者を殺し、幾多の文献を焼却」したからである。
 対する日本は、加藤にとって帝国憲法を戴(いただ)く「デモクラシー」国家だった。加藤は二大政党制を擁護する。「憲政常道論は選挙に依(よ)って国民に多数の支持を得た多数党が、陛下の御親任を拝すると云(い)う所に其(その)根底があるのである。政治上の不満は其政治の遂行上に無理があり欠点があったからであって、直に政党内閣の無価値と断ずる訳には行かない」。

VI 新しい政党政治システムの模索
171頁
井上寿一『政友会と民政党 戦前の二大政党制に何を学ぶか』中公新書2012
タグ:読み物 歴史
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