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保守主義のバイブル∽バーク『フランス革命の考察』―― [思想]

1.「自由な国制」の擁護
政党の定義
政党と個人的・利己的利益を追求する徒党との差別化の根拠とされたのであった
決して頑迷固陋な保守派とは見られていなかった
フランス革命
人間の権利 」を原理とするこの革命が名誉革命と英国国制とは全く異なった前提に立つものであるという確信を深めていった
転向の証だとする見方もあったが、実際には「自由な国制」についての彼の理解と信念に基づく批判と読むべきものである

2.伝統と慣習の重要性
人間は 習慣 の創造物
社会的動物
先入観
過去、現在、未来の 連続性 を当然のものとして
社会は人間にとってさながら一個の 自然 であり
社会は「作られるもの」ではなく「成長するもの」
理性 の役割はこの先入観の枠内で機能する
社会は 慣習 ( )の蓄積であり
全ての権利は父祖から相続されたものであり、あくまで「イギリス人の権利」であって、「人間の権利」ではない。
具体的
専制政治は論外
世襲制的権力体系が当然のように維持され
身分的地位に基づかない教養ある経験豊かなエリートたち
民衆はあくまでも保護の対象であり、政治的平等と民主化は論外である。
この国制を支えるのは 宗教 であり、この体制の聖化と再生産に大きく寄与している。各メンバーは一つの聖なる秩序の維持と再生産に寄与していることを実感できる
権力は幾重にも制約を受け、宗教や世論によって不断に制限されるものとなる

3.フランス革命への仮借なき批判
フランス革命は「人間の権利」という抽象的原理に基づく革命
先入観と社会的 紐帯 の中でのみ自由が可能になる
教会
国王を排除して国政の安定性、連続性の要素を破壊してしまった
理想とするリーダーと民衆との距離感と調和
アナーキー
権力を制限できる先入観や世論、さらには宗教ももはや存在しない
ナポレオン

4.政治リーダーと実践的知恵
「自由な国制」が無作為で安定的に存続するものとは考えず、リーダーはその存続のために一定の作為や活動をしなければならないことを力説してきた
政治エリートのこうした能力をバークは思慮や実践的知恵、正しい理性と呼んでいる
フランス革命は哲学的な革命であり、形而上学者や哲学者によって行われた革命であるというのが、彼の診断であった。つまり、フランス革命は「思弁」に基づく革命であった
前者は可変的、個別的な事柄に関するのに対して、後者は普遍的な事柄を扱う知的能力である。前者はアプリオリに教えられることは不可能で、単純さや普遍性、正確さを求める理論に対して専ら例外を処理する特別なスキルであり、長い経験によってのみ獲得可能である
政治的な思慮とスキルのない「成り上がり者」「詐欺師」「ペテン師」
アリストテレス以来の理論と実践の問題が継承されている
騎士の時代は過ぎ去った
全く新しい理論と主義に基づく革命である限りにおいて、それは同時に反文明的、反道徳的、反宗教的な現象であり、それとの対決は文明・道徳・政治秩序・宗教に味方する者と、全てを変革しようとする野望の持ち主や無神論者との対決を意味した。両者の間にはもはや妥協の余地はなく

バーク『フランス革命の考察』――保守主義のバイブル
佐々木毅『政治学の名著30』ちくま新書2007
下線及び斜め文字、「 」(:半角スペース)挿入と、便宜上各セクション冒頭に通し番号及び.(ドット)の付与を催すは、本blog。>

政治学の名著30 (ちくま新書)

政治学の名著30 (ちくま新書)

  • 作者: 佐々木 毅
  • 出版社/メーカー: 筑摩書房
  • 発売日: 2007/04
  • メディア: 新書


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