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集団的自衛権 [言葉の定義に拘り過ぎ]

 集団的自衛権は、ある国が武力攻撃を受けた場合、この国と密接な関係にある第三国が被攻撃国を助けて共同してその防衛を行う権利であり、安全保障理事会が国際の平和および安全の維持に必要な措置をとるまでの間、一時的に認められた(国連憲章第51条)。しかし、冷戦が始まって安全保障理事会が機能しなくなると、米ソ両陣営は集団的自衛権に基づく相互の防衛機構(東側はワルシャワ条約機構<WTO, 1955年>、西側は北大西洋条約機構<NATO, 1949年>)を設立した。これらは冷戦期を通じて、対峙して存続した。また、米ソ両陣営は勢力の拡大をめざし、集団的自衛権に基づいた同盟関係を拡大した。

第1部 chp.8 sec.1, 162頁


 日本の安全保障政策にとっての最大の課題は、集団的自衛権の行使としての武力行使を行えるか、という問題であった。1950年代以降、政府は、集団的自衛権を「自国と密接な関係にある外国に対する武力攻撃を、自国が直接攻撃されていないにもかかわらず、実力をもって阻止する権利」と定義した上で、集団的自衛権の行使は憲法上許されない、と解釈してきた(内閣法制局見解)。日本政府は、この見解に基づいて憲法9条と日米安保条約との調整をはかってきた。

第1部 chp.8 sec.1, 173頁
『政治学』(初版)有斐閣2003
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